「北欧視察報告『障害の重たい人たちを支える環境と支援について~スウェーデン福祉の取り組み~』を行いました。」
北欧福祉の支援環境と実践について北欧視察報告を行いました。 広く高福祉国家として知られる北欧の国
スウェーデン(一部フィンランドを含む)の視察を経て感じたことは、公平な社会を国の目指すべき姿として徹底的に制度や法に反映がされているという事です。 また支援の実践についても非常に効率的かつ
効果的なものとなるよう研究が進められており、色使い一つとっても様々な根拠(エビデンス)に基づく
配慮がなされておりました。当然ながら北欧福祉と日本の福祉は国民の負担が大きく違うため、一概に
全てを参考にする事は出来ませんが、そのエッセンスやエビデンスは非常に参考になるものが多くあります。例えば、支援のヒントとしていかに相手の「脳を疲れさせないか」あるいは環境を整える上で「脳が
疲れにくい」環境に配慮するかは重要なポイントです。しかもこれは障害者支援だけでなく、
すべての人にとって有効な関わりや環境の配慮にもつながっていく可能性を秘めています。
またスウェーデンでは支援者はコミュニケータ―としての役割が明確になされています。
これは障害者支援において”コミュニケーション”とは非常に重要な要素であるからです。
現在の支援員は生活全般に様々な場面で支援を行いますが、”コミュニケータ―”であるという職種の役割を再定義し直す事で、”権利擁護”や”ご本人のウッシュ(願い)”に基づく
支援の構築により近づいていけるのではないかと考えます。 前出の「脳を疲れさせない」ためのポイントは”生活のリズム”、
”満たされたニーズ”、”安心できる環境”、”適度な快刺激”、”不快刺激の低減・除去”等いくつかありますが、その一つに”自然との関わり”があります。 「自然は常にストレスを低減させる」効用・効果があり、これらも社会全体に意図的に取り入れる事
(休暇・休息や社会資本の整備を含めて)ですべての人にとってより良い社会が築けるのではないかと思われます。
視察先で得たものをヒントに今後の支援環境や職員の働く環境などより良いものに変えていきたいと考えています。 参加した職員皆が
非常に興味深く北欧福祉の取り組みや実践について学びを深める事が出来た北欧視察報告会でした。